賃貸でスマートロックを検討しているなら、結論だけ先に言う。SESAMEシリーズを選んでおけばまず間違いない。
スマートホーム歴8年・SESAME 5・Face・Bot 2を2025年6月から約10ヶ月使い続けている筆者が、賃貸でも問題なく使える理由・製品ごとの正直な感想・設置で失敗した話を全部書く。なお筆者自身は分譲マンション在住だが、SESAMEの固定方式はドアを傷つけないため賃貸でも同条件で使用できる。

築30年マンションの玄関で毎日使っています。失敗談も含めて正直に書きます。
賃貸でスマートロックは使えるのか?結論から言う
使える。ただし条件がある。
粘着テープ式とマグネット式、どちらが良い
スマートロックの固定方法は主に「3M両面テープ」と「マグネット(ネオジウム磁石)」の2種類がある。どちらもドアに穴を開けず退去時に取り外せるため、賃貸でも導入できる。
筆者はSESAME 5もSESAME Faceもマグネット固定で使っている。3Mテープと比べてマグネットが優れている点は取り外しと再設置のしやすさだ。テープは剥がす際にドア表面を傷める可能性があるが、マグネットはそのリスクがない。引っ越しの際にそのまま次の物件へ持っていけるのも実用的だ。ドアがスチール製(磁石がつく素材)であれば、まずマグネット固定を検討してほしい。
サムターン形状の確認だけは購入前に必須
スマートロックで最も多い購入後トラブルが「取り付けられなかった」だ。原因はサムターン(ドア内側のつまみ)の形状が製品に非対応だったケース。購入前に以下の3点を確認する。
- サムターンの形状(円形・楕円・ツマミ型・角型)
- サムターンとドア面の間のスペース(最低30mm程度必要)
- 空回り防止機構の有無(これがあると全製品ほぼ非対応)
SESAME 5はCANDY HOUSE公式サイトに対応形状の一覧があり、非対応の場合は3Dプリンターで専用アダプターを418円で作成依頼もできる。筆者の築30年マンションは円形サムターンで、付属アタッチメントでそのまま対応できた。
SESAMEを選んだ理由
2025年6月に購入を決めた時点で比較したのはSESAME・SwitchBot・Qrioの3ブランド。実際に購入・使用したのはSESAMEのみで、他2ブランドは未使用のためスペック上の比較にとどまる。
| 製品 | 価格帯(本体) | 顔・指紋認証 | 筆者使用 |
|---|---|---|---|
| SESAME 5 | 約3,800円 | Face追加で対応 | ◎ 約10ヶ月 |
| SwitchBot ロック Pro | 約17,980円 | 指紋認証パッド別売 | 未使用 |
| Qrio Lock Q-SL2 | 約21,800円〜 | 非対応 | 未使用 |
※価格は2026年4月時点の参考値。変動する場合があります。
SESAME 5が3,800円台で買える意味
スマートロック本体が3,828円(2026年4月時点・CANDY HOUSE公式サイト)というのは、カテゴリ内では異次元の安さだ。競合製品の多くが1〜2万円台であることを考えると「まず試す」ハードルが段違いに低い。万が一ドアに合わなかった、使わなかったとなっても損失が最小で済む。
安い理由はCANDY HOUSEがAPIを公開しアプリをオープンソース化しているビジネスモデルにある。ハードウェアを低価格で広め、エコシステム全体で収益を得る構造だ。実際、Hub 3・Bot 2・Face・オープンセンサーと製品を足していくほど便利になり、筆者もその流れで5製品まで増えた。
顔認証まで揃うエコシステムの強み
SESAME 5単体でできることはスマホ解錠・オートロック・解錠履歴の確認。そこにHub 3を追加すれば遠隔操作とAlexa・Google連携が加わり、SESAME Faceを追加すれば顔認証・静脈認証・指紋認証・ICカードと解錠手段が一気に広がる。同一アプリで全製品を管理できるのも使い勝手がいい。
他メーカーを選ばなかった理由
SwitchBotは価格が5倍近くで、すでにNature RemoとAlexaで構築済みの筆者の環境では「SwitchBot側に統合する理由」がなかった。Qrioはソニーグループのブランド力に魅力を感じたが、2018年発売から約8年が経過しており後継モデルのリリースが不透明な点を考慮して外した。いずれも未使用のため実機での優劣は判断できない。
SESAME 5・Face・Bot 2を約10ヶ月使った正直な感想
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SESAME 5 ── 設置で一時的に締め出されかけた話
設置自体は30分程度で終わる。アタッチメントをサムターンに被せ、マグネットまたは3Mテープで固定し、アプリで解錠・施錠の回転角度を設定するだけだ。ただしこの「角度設定」で痛い目を見た。
- STEP 1サムターン形状を確認・採寸
サムターンを真上から撮影し、直径とドア面とのスペースを測定。公式サイトの対応表で確認する。
- STEP 2アタッチメントを装着・本体を固定
付属アタッチメントをサムターンに被せ、SESAME 5本体をマグネットまたは3Mテープで固定する。
- STEP 3アプリで角度設定(ここが重要)
解錠・施錠それぞれの回転角度をアプリで設定する。外側から開く角度と内側から開く角度が異なる場合があるため、必ず室内から両方向でテストすること。
- STEP 4扉を開けたまま動作確認
ドアを閉めた状態でテストする前に、必ず開けた状態で解錠・施錠の動作が正常かを確認する。問題がなければドアを閉めて最終確認。
筆者がやらかしたのはSTEP 3だ。外から開ける角度の設定が不十分な状態でドアを閉めてしまい、外側から鍵が開けられない状態になった。SESAME 5がサムターンを押さえるような形になり、物理鍵を差し込んでも回しにくい。もともとその鍵自体が回りにくい状態だったこともあり、1〜2分格闘することになった。「鍵屋を呼ぶ羽目になるか」と一瞬焦ったが、格闘しているうちに運よく開いた。

角度設定は必ず誰かに室内にいてもらった状態でやるのが正解。一人での設置は本当にリスクがあります。
設置後の約10ヶ月は毎日快適に使えている。解錠速度はBluetoothで約0.5秒。Hub 3を追加してからはAlexaとのMatter連携による応答速度が上がり、クラウドを経由しないローカル制御で動作が安定した。遠隔施錠自体はHub 3なしでも可能だが、操作のレスポンスが体感で変わる。

SESAME Face ── 顔認証の電池消費が想定外だった
SESAME Faceは顔認証・手のひら静脈認証・指紋認証・ICカードの4種類で解錠できる認証パッドだ。スマホを取り出す必要すらなくなり、キーレスの究極形と言える。ただし導入直後に大きな壁にぶつかった。
検知範囲をデフォルトまたは広めに設定すると、電池消費が非常に激しくなる。筆者が使い始めた2025年6月当時は、電池寿命が現実的な運用に耐えられる水準ではないと感じるほど消費が早かった。結果として現在の主運用はスマホ解錠とオートロック中心で、Faceは補助的な位置づけになっている。
なお電池残量の管理を怠ると帰宅時に締め出される。筆者は実際にこれを体験した。詳細と5つの再発防止策はSESAME Face電池切れで締め出された実体験にまとめている。
2026年4月時点でCANDY HOUSEは充電式リチウム電池を発売しており、電池消費問題は改善されている可能性がある。最新情報はSESAME Face公式ページで確認してほしい。
SESAME Bot 2 ── キーレス最高、だが設置は慎重に
Bot 2はスマートロック本体ではなく、物理的なボタンを押すデバイスだ。筆者の使い方はマンションのエントランスにある室内インターホンの解錠ボタンへの設置で、外出先やエントランスからスマホで操作してオートロックを開錠する用途に使っている。
この運用が完成してから帰宅の体験が変わった。エントランスに着いてスマホでBot 2を起動→オートロック解除→玄関でSESAME 5が自動解錠→入室後オープンセンサー検知で自動施錠。鍵を一切触らない帰宅が毎日の当たり前になった。キーレス最高、というのが正直な感想だ。
AlexaとBot 2を組み合わせた定型アクションの詳細はAlexa定型アクション本当に使える設定で解説している。ダウンライトへの応用はSESAME Bot 2でダウンライトを音声操作した全手順を参照してほしい。
インターホンへの固定は3Mテープのみになる。磁石はインターホン表面の素材上使えないため、貼り付け位置の精度が重要だ。設置前にボタンの位置と硬さを確認し、Bot 2のアームが確実にボタンを押せる位置に仮置きしてからテープで固定する。

オープンセンサーの設置で詰まった話
SESAME 5にオープンセンサーを組み合わせると、ドアが閉まった瞬間に自動施錠できる。出かけるたびに施錠ボタンを押す動作がゼロになる重要なパーツだ。ただし設置で一度詰まった。
ドアの内輪差でセンサーがぶつかった
オープンセンサーはドア側と壁(枠)側に1つずつ磁石センサーを貼り付ける構造だ。ドアを閉めた状態で両センサーが近接すると「閉」と検知する仕組みのため、2つのセンサーの位置合わせが重要になる。
最初にドアの隙間ギリギリの位置に貼ったところ、ドアを閉める際のスイング(内輪差)でセンサー同士がぶつかった。破損はしなかったが、ぶつかって閉まらないか、擦れながらなんとか閉まる程度の状態で使えなかった。
解決法 ── 片側を固定して動かしながら位置を合わせる
ドア側のセンサーだけ先に固定し、壁(枠)側のセンサーは手で持った状態でドアをゆっくり開閉しながらぶつからない絶妙な位置を探した。その位置が確定してから壁側を固定する手順に変えたことで問題なく設置できた。ドアの隙間から数ミリ離した位置が正解だ。


ギリギリに貼れば検知精度が上がると思ったのが間違いでした。数ミリの余裕が必要です。
よくある質問
- Q賃貸でスマートロックを使う際、管理会社への許可は必要ですか?
- A
粘着テープやマグネットで固定する後付け式であれば、ドアに穴を開けず原状回復も容易なため、多くの場合は許可不要です。ただし物件の規約によって異なるため、不安な場合は管理会社に確認することをおすすめします。
- QSESAME 5とSESAME Faceはどちらから買うべきですか?
- A
必ずSESAME 5から始めてください。SESAME FaceはSESAME 5と連携して初めて動作する認証パッドで、単体では何もできません。SESAME 5でスマホ解錠・オートロックに慣れた後、顔認証や指紋認証が欲しくなった段階でFaceを追加するのが正しい順番です。
- QSESAME Faceの顔認証は実用的ですか?
- A
検知範囲をデフォルトまたは広めに設定すると電池消費が非常に激しく、実用上の電池寿命が大幅に短くなります。筆者の使用当時(2025年6月〜)は現実的に使える状態ではないと判断し、スマホ解錠とオートロックを主運用にしています。設定次第で変わる可能性があるため、最新のアプリ設定を確認してください。
- QSESAME Bot 2はどんな場面で役立ちますか?
- A
マンションのエントランスにあるオートロック解錠ボタンを物理的に押すデバイスとして最も活躍します。室内インターホンの解錠ボタンにBot 2を設置し、スマホアプリやAlexaの音声コマンドで操作することで、エントランスから玄関まで完全キーレスの帰宅が実現します。
- Qスマートロックを設置する際に最も注意すべきことは何ですか?
- A
サムターンの形状確認と、解錠・施錠の回転角度設定です。角度設定が不十分だと外から鍵が開かない状態になる場合があります。設置時は必ず室内に誰かいてもらった状態で動作確認をするか、物理鍵を手元に持った状態でテストしてください。
まとめ
約10ヶ月使い続けてやめる理由が見当たらない。賃貸でSESAMEシリーズを使う上での結論を3つに絞る。
- マグネット固定なら退去時の原状回復が最も楽。ドアがスチール製であれば最初からマグネットを選ぶべき。
- SESAME 5の角度設定は必ず室内に誰かいてもらった状態でやる。一人設置で締め出されると洒落にならない。
- Bot 2でオートロックを自動化すると、キーレス生活の完成度が一段上がる。鍵を触らない帰宅は一度体験すると戻れない。
スマートロック以外の機器も含めたスマートホーム全体の構成はスマートホームの始め方|実際の機器と設定を全公開で公開している。
※AmazonよりCANDY HOUSE公式サイトのほうが安い場合が多いため、価格を比較してから購入することをおすすめします(2026年4月時点)。


